視能訓練士の就職

新卒視能訓練士の就職

視能訓練士の就職は、養成校によりやはり就職口は変わってくると思いますが、老舗の学校では繋がりのある病院等からその学校の出身者限定で募集が掛かかることもあります。ここは養成校や就職担当者によって違いが大きいかと思いますが、新卒学生の地道な就職活動でも好条件の就職口を獲得していることもあるので、医療系の資格の中では特に就職活動に苦労が多い職種と思います。
ORT自体の認知度もまあまだ低く、病院勤務の医療従事者の中でも、まだその存在を知らない人たちもいるというのが現状です。また、眼科コメディカル(旧OMA)という認定資格を持つ人たちがORT以上に多数存在しますので、特に開業医では、視能訓練士を雇用せず、認定資格を取らせたスタッフで賄うというケースが目立ちます。首都圏の総合病院などはORT雇用人数も比較的多い施設もありますが、郊外や地方に行くと、ORTがゼロかせいぜい2名いるくらいの施設がほとんどです。

新卒視能訓練士の進路

視能訓練士(以下、ORT)の進路は、おもに眼科医院、眼科を標榜する病院などが活躍の場となりますが、総合的なリハビリテーションセンターで作業療法士とともにチームを組んで訓練にあたる人もいます。現在、全国で活躍しているORTは約5400名で、需要は高まる一方なので、就職率は安定しています。しかし、危険な業務がないことや、体力的にも比較的楽なことから、女性の割合が高く、女性への人気はさらに高まっていますので、いずれ供給が需要を追い越す時はくるでしょう。また、一度就職したら、なかなか辞める人が少ないという特徴もあり、就職したいところに入れるかどうかという点では、狭き門となっている施設もあります。

視能訓練士の需給

第1回国家試験が1971年に実施され、1991年に養成校が8校になるまでは、有資格者数はなかなか増えませんでしたが、(社)日本視能訓練士協会の資料によると、専門分野である両眼視機能の矯正訓練に加えて、現在では眼科一般検査、健診など多様化し、医療機関(眼科)での需要は少しずつ高まっています。 2008年の新卒視能訓練士は全国で648人、総有資格者数は約7,500人と、供給はやや不足気味ですが、推計によると2020年には有資格者数は約16,000 人程度になると見込まれ、過剰時代がやってくる可能性も否めません。
しかし、これまでは9割以上の視能訓練士が病院・診療所などの医療機関に勤務していましたが、今後は高齢化社会を迎え、視機能障害者が増加しているのに比例して、保健所や老人福祉センターなどで活躍する視能訓練士も増えると予想されますので、活躍のフィールドも広がるでしょう。